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【徳田秋声 短篇アンソロジー】
大木志門・篇 余震の一夜・和解 他六篇

□収録作品リフィル
「私」
「痛み」
「感傷的の事」
「余震の一夜」
「風呂桶」
「和解」
「勲章」
「喰われた芸術」

¥2,200 (税込) ISBN 978-4-8038-0425-6 C0092

amazon【徳田秋声 短篇アンソロジー】大木志門・篇 余震の一夜・和解 他六篇
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作品リフィル 文庫判・スクラム製本(綴じなし)

「町の踊り場」 徳田秋声

1933年3月「経済往来」掲載。前年8月に金沢にいる姉が死去し、その葬儀のために帰省した体験を描いたものです。本作が川端康成や室生犀星に高く評価されたことで、秋聲晩年の復活へと繋がりました。姉の家を抜けだして鮎の魚田を求めたり、裏町のダンスホールに立ち寄ったりする奔放な語り手の行動から、満洲事変後の戦争に向かってゆく時代の世相や、古い文化と新しい文化が交錯する金沢の街が鮮やかに浮かび上がる秋聲珠玉の短篇。(24頁・★3個)

330円 (税込)  [JAN]4582628020135

梅田 蔦屋書 ポケットアンソロジー 「町の踊り場」
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「私」徳田秋声

日露戦争下のある晩、日本軍が遼陽を攻め落としたことを告げる号外が街を駆け抜けた。「お国の勝利」の喜びは人々を賑やかに満たしていく。ただ一人、私だけを残し……。戦勝に沸く華やかな国民の姿と、その裏に確かに存在した無数の犠牲者の姿が、名もなき「私」の眼を通して密やかに浮かび上がる。飾らない現実を切り取ることで人生が鮮やかに活写される、秋声文学の魅力を今に伝える掌篇。(8頁・★1個)

330円 (税込)  [JAN]4582628022276


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「痛み」徳田秋声

職業婦人である松枝は、派手好きで情の薄い最初の結婚相手と別れ、二度目の夫と新生活を送っている。しかし再婚した夫は嫉妬深く、執着心が強いうえに精神も非常に不安定で、松枝はたびたび酷い暴力をふるわれていた。理不尽な暴力から逃れるために練った計画により、夫の態度は改善へと向かうが、おとなしくなった夫に松枝は次第に物足りなさを感じはじめる……。倒錯的でいびつな夫婦の関係性を描いた秋声異色の短篇。(20頁・★2.5個)

330円 (税込)  [JAN]4582628022283


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「感傷的の事」徳田秋声

家郷から離れて暮らしていた「私」は、十年振りに母の元を訪れる決心をする。それほどまでに時が空いてしまったのに大した理由はなく、ただ母の甘さへの反感が足を遠ざけさせていたのであった。郷里への汽車に乗った「私」は、その道すがら過去を振り返り、いかに自分が母を顧みて来なかったかに気付いてゆき、そして母と再会を果たすが……。感情の疎隔と時の流れの残酷さ、過去への悔恨が痛みのように刻み付けられた自伝的一篇。(24頁・★3個)

330円 (税込)  [JAN]4582628022290


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「余震の一夜」徳田秋声

関東を襲った未曾有の地震の際に「私」は家族のそばにいなかったことを妻に恨めしく思われていた。ある夜、強い余震を感じて戸外へ出ると、いまにも倒れそうな不安定なわが家が目に入る。しかし家を離れる決断もできず、安住を得られない一家の頭をよぎるのは、災害を生き延びた老婆たちのたくましい姿であった。作者自身の体験を元にして、過ぎ去ってもなお人心を揺るがし続ける関東大震災直後の一夜を切り取った短篇。(24頁・★3個)

330円 (税込)  [JAN]4582628022306


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「風呂桶」徳田秋声

年老いてゆく自身を憂い、四季折々の自然や成長めざましい子どもたちにさえ、自身の残り少ない寿命を連想してしまう津島。古くなった風呂桶を買い換えるに際して、何でもないことから生じた妻との喧嘩の中で、不意に芽生えた暴力性に亡き父親の面影を見る。人生の下り坂にさしかかった一人の男が直面するある日の出来事を通して、いずれ誰にでも訪れる「老い」という問題が恬淡と描かれた秋声「心境小説」の代表的短篇。(12頁・★1.5個)

330円 (税込)  [JAN]4582628022313


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「和解」徳田秋声

O—先生を崇拝していたK―と、尊敬しながらも対等に接し続けた「私」。先生の死後、二人は価値観の相違から決別してしまう。それから三十年、K―の弟が「私」のアパートを訪れたことから二人の運命は再び交差し始める。最初は顔を合わせることさえ躊躇していた「私」だったが、やがて共に先生の話をするまでにK―との関係が修繕していく。果たして二人は和解することが出来たのか。兄弟子である泉鏡花との確執を経て書かれた秋声の名作短篇。(36頁・★5.5個)

330円 (税込)  [JAN]4582628022320


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「勲章」徳田秋声

分相応な結婚を望んで惣一に嫁いだかな子だったが、幸福なはずの新生活は想像とは全く違っていた。吝嗇な義父に迫られたことで同居に耐えられなくなった彼女は、独立して夫婦二人で暮らすことを決めるも、博打に明け暮れる夫に毎日の苦労は絶えず、周囲からは離婚をすすめられるが……。戦時下の東京を舞台に庶民の夫婦のなし崩しの生を描いた秋声後期の好短篇。(28頁・★3.5個)

330円 (税込)  [JAN]4582628022337


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「喰われた芸術」徳田秋声

「六月の或日、ふと思い立って、彼は久しぶりでK—先生の未亡人を郊外のその家に訪ねて見た。」——尾崎紅葉没後、秋声が困窮する紅葉遺族を見かねて菊池寛と共に中央公論社から『尾崎紅葉全集』を出版した経緯を描いた生涯最後の短篇。同門たちとの別れやその遺族との交流を残された者の視点で描き出し、紅葉門の兄弟子である泉鏡花との「K—先生の芸術」をかけた因縁話とも読める。(28頁・★3.5個)

330円 (税込)  [JAN]4582628022344


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