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「東京八景」 太宰治

東京で暮らしはじめて十年。自殺未遂、ヒロポン中毒、それから妻の不貞……激動の歳月を経ていま、作家にはようやくその年月を振り返る余裕が生まれた。ペンとインク、原稿用紙を抱えて訪れた伊豆の南の温泉宿で、作家は東京市の大地図を広げる。それはいつか書いてみたいと思っていた小説にとりかかるためだった。その小説とは、「東京八景」。戸塚、本郷、神田、八丁堀、芝、荻窪、武蔵野……地誌に生活史をからめて描いた名篇。(44頁・★5.5個)

330円 (税込)  [JAN]4582628021767

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「美男子と煙草」 太宰治

〝古いもの〟とたたかってきたつもりの文士だが、その〝古いもの〟たちからのいわれなき誹謗に口惜しさのあまり嗚咽する日々だった。そんな折、ある雑誌社から取材の依頼が。上野の地下道に浮浪者を見に行こうというのだ。捨て鉢の気分で向かった現地で出会った四人の少年はみな煙草を吸っていた。文士は彼らに焼鳥をおごるのだが……自己憐憫と道化の入り交じった自意識を、最下層の存在に重ね合わせてシニカルに描く。(16頁・★2個)

330円 (税込)  [JAN]4582628021798

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「フォスフォレッスセンス」 太宰治

この世の現実は夢の連続であり、眠りの中の夢はそのまま現実でもあると考えている「私」は、夢の中にだけ存在する妻をもっている。ある日、締切りに間に合わない原稿を口述でとろうという編集者と、一升瓶を抱えて愛人宅を訪れるが、留守中に上った愛人の部屋で見た写真と花に、夢の中の妻のことばの意味を知るのだった。その花の名は、フォスフォレッセンス……これ自体が口述筆記で書かれたという虚実皮膜に満ちた一篇。(16頁・★2個)

330円 (税込)  [JAN]4582628021781

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「貨幣」 太宰治

「私は、七七八五一号の百円紙幣です。あなたの財布の中の百円紙幣をちょっと調べてみて下さいまし。あるいは私はその中に、はいっているかも知れません」
大工さんの手から質屋へ、そして顕微鏡を質草に入れた医学生に連れられて旅に出た百円紙幣は、六年ぶりに東京に戻った……貨幣が女性名詞であることから、百円紙幣の女がたりをもちいて、敗戦色濃くなった日本の庶民の実態、軍人のえげつなさなどを活写した異色短篇。(16頁・★2個)

330円 (税込)  [JAN]4582628021774

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「葉」 太宰治

「死のうと思っていた。ことしの正月、よそから着物を一反もらった。(b中略)これは夏に着る着物であろう。夏まで生きていようと思った」有名な書き出しで短編集『晩年』の冒頭に置かれた初期の作品。祖母への愛着と隠された性の蠢きを描いた「哀蚊」という十九歳で書いた短篇の話、非合法運動に身を投じた経験の一端を垣間見せるフィクションなど、短篇小説の断片、エッセイ、創作メモ、アフォリズムなどを繋ぎ合わせた太宰文学のエッセンス!(28頁・★3.5個)

330円 (税込)  [JAN]4582628021736

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「逆行」 太宰治

「老人ではなかった。二十五歳を越しただけであった。けれどもやはり老人であった」自殺と心中の未遂を重ね、思想犯として投獄もされた激動の青春を経た自画像を描いた「蝶蝶」。落第が決まっているのに試験を受けに行く「甲斐ない行為」を描きつつ、母校・東京大学の校内を活写した「盗賊」。高等学校時代の放蕩を描いた「決闘」。田舎町を訪れたサーカス団のなか、檻に入れられたエトランゼに性の目覚めを覚えた少年を描く「くろんぼ」の四つの掌編を収める。(28頁・★3.5個)

330円 (税込)  [JAN]4582628021743

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「ダス・ゲマイネ(上)」 太宰治

大学で仏文を学ぶ「私」は授業を抜け出して通う小さな甘酒屋で馬場という奇妙奇天烈な風体の男と知り合う。音楽大学に八年もいるという馬場は三鷹の地主の倅で、会うたびに異なった装いで現れ、その潤沢な財布で私を随所の遊びに連れ回した。至る所で虚実皮膜の大風呂敷を広げる馬場は、私を誘って「盗賊」という雑誌をつくろうと企てるが……登場人物に作者の「自己」をさまざま投影させ、終いには作中に「太宰治」まで登場させる遊び心あふれる異色作。(20頁・★2.5個)

330円 (税込)  [JAN]4582628021750

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「ダス・ゲマイネ(下)」太宰治

大学で仏文を学ぶ「私」は授業を抜け出して通う小さな甘酒屋で馬場という奇妙奇天烈な風体の男と知り合う。音楽大学に八年もいるという馬場は三鷹の地主の倅で、会うたびに異なった装いで現れ、その潤沢な財布で私を随所の遊びに連れ回した。至る所で虚実皮膜の大風呂敷を広げる馬場は、私を誘って「盗賊」という雑誌をつくろうと企てるが……登場人物に作者の「自己」をさまざま投影させ、終いには作中に「太宰治」まで登場させる遊び心あふれる異色作。(32頁・★4個)

330円 (税込)  [JAN]4582628022054

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「雪の夜の話」 太宰治

「少しお変人の小説家」を兄にもつ女学生・しゅん子は、身籠った嫂と三人暮らし。東京に雪がたくさん降ったある日、学校帰りに寄った中野の叔母さんからスルメを二枚もらったものの、雪の中に落としてしまいます。そのスルメは二人分お腹が減るようになった嫂に持って帰ろうと思ったもの。その時しゅん子は、いつか兄に聞いた「人間の眼玉は、風景をたくわえる事が出来る」という話を思い出します……イノセンスと諧謔が交錯する太宰文学の真骨頂。(12頁・★1.5個)

330円 (税込)  [JAN]4582628020111

梅田 蔦屋書 ポケットアンソロジー 「雪の夜の話」
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「駈込み訴え」 太宰治

裏切り者の代名詞ともなっている「イスカリオテのユダ」のひとり語りで、全編を一気に読ませる。「あの人」イエス・キリストに向ける愛憎、付き従う弟子たちに対する軽蔑……聖と俗、清と濁、無私とエゴなどアンビバレンツな感情と価値観を痒いところに手が届くようなレトリックで現わし、最後の着地に至るまで見事な「太宰節」が横溢する。妻・美知子に口述筆記で書き取らせたといわれる、太宰の才能が遺憾なく発揮された名作。(28頁・★3.5個)

330円 (税込)  [JAN]4582628020913

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「女生徒(上)」 太宰治

「あさ、眼をさますときの気持は、面白い。」から「眠りに落ちるときの気持って、へんなものだ」まで。少女のさりげない一日をモノローグの文体で描く。父を病いで失い、姉は嫁いでいまは母親とふたり暮らし。学校のこと、友だちのこと社会のこと……大人になる一歩手前の女の子の無垢な内面を独特な語り口でなぞり、自意識とナルシシズム、理想と現実の間に揺れ動く心を絶妙に描いた太宰のフェミニンな資質が全篇にみなぎる傑作。(36頁・★4.5個)

330円 (税込)  [JAN]4582628021378

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「女生徒(下)」 太宰治

「あさ、眼をさますときの気持は、面白い。」から「眠りに落ちるときの気持って、へんなものだ」まで。少女のさりげない一日をモノローグの文体で描く。父を病いで失い、姉は嫁いでいまは母親とふたり暮らし。学校のこと、友だちのこと社会のこと……大人になる一歩手前の女の子の無垢な内面を独特な語り口でなぞり、自意識とナルシシズム、理想と現実の間に揺れ動く心を絶妙に描いた太宰のフェミニンな資質が全篇にみなぎる傑作。(36頁・★4.5個)

330円 (税込)  [JAN]4582628021385

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「葉桜と魔笛」 太宰治

三十五年前、父と私と妹は三人で生きていた。妹は腎臓結核に罹り百日ももたないと言われていたにもかかわらず、健気に生きる姿を見て、私は気も狂いそうであった。妹の箪笥を整理していたある日、私はM・Tという男性からの手紙を見つけた。ふたりの恋愛は醜くすすんでいて、私は手紙を焼き捨てた。M・Tとして紡いだ手紙を読んだ妹は、自らの過去に初めて後悔する……。病気と恋愛に翻弄される姉妹が信じられるものとは。(16頁・★2個)

330円 (税込)  [JAN]4582628020937

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「HUMAN LOST」 太宰治

太宰二十五、六歳のころ、大学卒業危うく、都新聞の入社試験にも落ちて精神的に不安定な時期、盲腸の手術後の腹膜炎の痛みを抑えるため用いたパルビナールが癖になって、中毒に陥る。その治療のために様々な病院に入退院を繰り返した経験を反映して、板橋区の脳病院に入院した体験記を日記形式で綴った小説。精神が混乱を来し、支離滅裂になる直前の微妙なバランスを、一見書きなぐったように思わせながら、周到な構成も見られる。(44頁・★5.5個)

330円 (税込)  [JAN]4582628020920

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「メリイクリスマス」 太宰治

一年三ヶ月のあいだ津軽で暮らしたのち東京に戻ってきた「私」が、十二月はじめ、東京郊外の街である少女に遭遇する。「シズエ子ちゃん。」彼女は私にとって「唯一のひと」の一人娘だった。記憶の中の幼い娘は二十歳になっており、その好意を恋心と受け取る私は十分に自惚ていた。娘を促して親子の住む家に向かう私だったが、娘は次第に元気を失い……戦後間もない東京でのある邂逅を哀切とユーモアを交えて描いた好短篇。(20頁・★2.5個)

330円 (税込)  [JAN]4582628020951

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「姥捨」 太宰治

あやまった人を愛撫した妻と、妻をそこまで追いやった夫。二人は死ぬことでその結末をつけようと新宿の町をさまよう。睡眠薬を買い、映画を観て鮨を食べ、漫才を見ながら「この女を死なせてはならない」と思う夫だったが、もう勢いは止まらない。翌朝、かつて二人でひと夏を過ごした水上に向けて上野から旅立った。やさしい宿の老夫婦に別れを告げた二人は心中をはかるが……罪と無垢、コキュの苦しみと諧謔が渾然とした一篇。(36頁・★4.5個)

330円 (税込)  [JAN]4582628020975

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「猿面冠者」 太宰治

「彼には、いけない癖があって、筆をとるまえに、もうその小説に謂わばおしまいの磨きまでかけてしまうのである。」……小説家たらんとする作中の作者が、小説を書こうとするときに陥ってしまいがちな落とし穴を惜しげもなく開示し、自伝的要素と道化と諧謔という太宰文学の主要なテーマをも偏在させつつ、小説家・太宰治の創作の秘密をうかがわせる、貴重なメタフィクション・ノベル。(32頁・★4個)

330円 (税込)  [JAN]4582628020968

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「おさん」 太宰治

戦争が激しくなり、神田の雑誌社に勤めていた夫と離れ、「私」は子ども二人を連れて青森の里に疎開した。やがて無条件降伏となり、夫恋しさに東京に舞い戻った私は、やつれて卑屈でおどおどした夫を見いだした。それは失業や借金の疲れだけが原因ではなく、まるでたましいの抜けた人のように外泊を繰り返すのだった。そして真夏のある朝、だしぬけに温泉に行きたいと言い出した夫は……ニヒリズムの欺瞞を女性の視点から描く傑作。(28頁・★3.5個)

330円 (税込)  [JAN]4582628021699

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「燈籠」 太宰治

貧しい下駄屋の一人娘は、齢二十四になるも未だ縁遠かった。それは貧しさゆえもあるが、地主の妾を娶った「日陰者」の家に生まれたからでもあった。その娘が、商業学校に通う五つ年下の学生に一目惚れしてしまう。みなし児で養家でも肩身が狭いという境遇に同情した娘は、友達と海水浴に行くといいながら沈んだ様子の水野のために海水着を盗んで村八分の目にあってしまう。ところが当の水野は……。(16頁・★2個)

330円 (税込)  [JAN]4582628021613

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「皮膚と心」 太宰治

自らの容姿を卑下しがちな「私」だったが、肌のきれいさには自信があった。ところが糠で擦りすぎたせいか、左の乳房の下から始まって瞬く間に吹出物が全身を覆ってしまう。心配する夫は心優しいが、劣等感が強く歯がゆいほど気が弱い。一見しがない図案化だが、実は有名な化粧品の図案を手がけていたりもする。日に日に醜くなっていく肌におののき、ついに夫の勧めで皮膚科の病院に行くが……肌と連動する女性の心理の綾を見事に描いた名篇。(36頁・★4.5個)

330円 (税込)  [JAN]4582628021620

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「きりぎりす」 太宰治

十九の春に周囲の反対を押し切って一緒になった夫は、傲岸で世間の評判も悪く、売れない絵ばかりを描いている画家だが、その絵に身体が震えるほど感動した「私」は、貧乏になればなるほど張り合いのある生活を送っていた。ところがある時から絵が評価されるようになり、日に日に偉くなっていくと、夫は身なりから言動まで変わってしまう。結婚五年で別れを決意するまでの妻の心境を、芸術と俗世間の関係に呼応させて描く。(28頁・★3.5個)

330円 (税込)  [JAN]4582628021637

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「千代女」 太宰治

十二歳のとき叔父さんのすすめで綴り方を「青い鳥」に投稿した「私」は、思いがけず一等に当選。続いてまた投稿したら、それは誌面を大きく飾り、高名な選者から長い感想文まで貰うまでに至った。ところがその時から私の人生は変わってしまった。教室で異常に誉めたたえる先生。急によそよそしくなった友達。小学校を卒業して楽になったが、それから……文章を書いて評価されることの脆さと危うさを少女の身に託して描く。(28頁・★3.5個)

330円 (税込)  [JAN]4582628021644

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「恥」 太宰治

「ひどい恥をかきました。顔から火が出る、などの形容はなまぬるい。草原をころげ廻って、わあっと叫びたい、と言っても未だ足りない」……小説に描かれた人物と作者本人を完全に同一視して、手紙を送っただけでなく、家にまで訪ねていった二十三歳の女性。その経緯を友だちに告白する語り口を借りて、作家と読者の関係、また登場人物とモデルの関係をあぶり出して、その裏に作家としての自らを韜晦する、たくらみに満ちた短篇。(20頁・★2.5個)

330円 (税込)  [JAN]4582628021651

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「十二月八日」 太宰治

太平洋戦争が始まった日——この日のことを百年後の紀元二千七百年後にまで正確に残そうと決意して作家の妻が一人称で語る。ラジオから開戦のニュースを耳にして「人間が変わってしまった」私。米国人に向けられた異常な敵愾心と昂揚感に包まれた妻をよそに、作家である夫はへんにトンチンカンな愛国心を披瀝する。そのズレをユーモラスに描き、言論統制下にあって開戦の日の庶民の日常の活写に作家の最大限の企みを込めた戦争文学。(20頁・★2.5個)

330円 (税込)  [JAN]4582628021668

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「待つ」 太宰治

「雀線のその小さい駅に、私は毎日、人をお迎えにまいります。誰とも、わからぬ人を迎えに」……本来は人がきらいで誰にも会わずに家で母親と二人きりで黙って縫物をしていたい質だった「私」だが、大戦争(太平洋戦争)が始まってから、何だか不安になり、今までの生活にすっかり自信を失ってしまった。かといってどこに行くあてもなく、毎日駅に座っている私は、誰を、何を待っているのか? 短い紙幅に戦時下の日本人の実相を込め、掲載拒否にあった掌編。(8頁・★1個)

330円 (税込)  [JAN]4582628021675

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「ヴィヨンの妻(上)」 太宰治

四国の華族の勘当息子でもある詩人の大谷は、小金井のボロ家に妻と四つになる息子と住んでいるが、妻子を顧みず放蕩を繰り返している。年の瀬も迫ったある深夜、泥酔して戻った大谷を追いかけ中野の飲み屋の夫婦が店の金を盗まれたと乗り込んできた。刃物を持ち出して巧みに逃げる夫をよそに、何とかすると場をとりもった妻は、翌日、策もなく中野の飲み屋に行き働くようになるが……デカダンスの極みを描いた傑作。(28頁・★3.5個)

330円 (税込)  [JAN]4582628021682

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「ヴィヨンの妻(下)」 太宰治

四国の華族の勘当息子でもある詩人の大谷は、小金井のボロ家に妻と四つになる息子と住んでいるが、妻子を顧みず放蕩を繰り返している。年の瀬も迫ったある深夜、泥酔して戻った大谷を追いかけ中野の飲み屋の夫婦が店の金を盗まれたと乗り込んできた。刃物を持ち出して巧みに逃げる夫をよそに、何とかすると場をとりもった妻は、翌日、策もなく中野の飲み屋に行き働くようになるが……デカダンスの極みを描いた傑作。(28頁・★3.5個)

330円 (税込)  [JAN]4582628021880

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