新商品・季刊 アンソロジストブックジャケットスターターキット
作品リフィル あ行作品リフィルセット作品リフィル 詩歌
作品リフィル か行芥川龍之介太田靖久
作品リフィル さ行織田作之助徳田秋声
作品リフィル た行井伏鱒二山川方夫
作品リフィル な行後藤明生
作品リフィル は行坂口安吾
作品リフィル ま行太宰治
作品リフィル や行宮沢賢治
作品リフィル ら行山本周五郎
作品リフィル わ行吉田篤弘
作品リフィル 文庫判・スクラム製本(綴じなし)

「狐」 永井荷風

冬の書斎の午過ぎ、ツルゲーネフを読みながら、筆者は幼い頃の出来事に思いを馳せた。生家は父が小石川の古い空き屋敷を三軒買い占めて建てた家で、鬱蒼とした広い庭には不気味な一画があった。ある朝、父がそこで狐を見た。使用人や出入りの者総出で狐狩り。一方、女たちは狐の祟りに脅えた。その折には見つからなかった狐が、翌年二月に現れた。しかも筆者が可愛がっていた鶏が犠牲に……米仏留学から帰朝した筆者が初めて書いた短篇。(24頁・★3個)

330円 (税込)  [JAN]4582628021026

田畑書店公式通販サイト 「狐」 永井荷風


「鶏」 中島敦

パラオ南島庁の官吏として滞在したコロール島での体験から生まれた「南島譚」のなかの一作。濃い親交を結んだ土方久功(南洋の文化に造詣の深い彫刻家・民俗学者)の日記からモチーフを得ていますが、そこに描かれた原住民の人物造形はかなりデフォルメされており、当の土方には「読まれると恥ずかしいから」との理由で献本しなかったといわれています。それだけに、中島敦が異民族、ひいては人間というものの不可解さをどうフィクションに仕上げているかが伺えて興味が尽きません。(24頁・★3個)

330円 (税込)  [JAN]4582628020142

梅田 蔦屋書 ポケットアンソロジー 「鶏」
田畑書店公式通販サイト 「鶏」 中島敦


「名人伝」 中島敦

趙の邯鄲に住む紀昌という男の話。弓の名人を志した紀昌は名手・飛衛に弟子入りした。飛衛はまず瞬きをせざることを学べといい、二年かけてそれを会得した紀昌が報告に行くと、次は視ることを学べと命ずる。やがて一匹の虱が馬のように見えるようになった紀昌に、飛衛は射術の奥義秘伝をあますところなく伝えた。もはや師から学ぶべき何ものもなくなった紀昌は、果たして名人になれたか? 思わぬ結末、見事なプロットに唸る名篇。(20頁・★2.5個)

330円 (税込)  [JAN]4582628021408

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「山月記」 中島敦

博学才穎、若くして世間に名を轟かせた李徴だが、官吏として仕えるを潔しとせず、ひたすら詩作に耽って世を厭うあまり、その肥大した自尊心ゆえ虎に身を変じてしまう。ある日、勅命を奉じて未明の山道をたどった官吏・ 袁修は、山中で人喰い虎に遭遇するが、その虎が隠れた叢のなかから、ふと聞き覚えのある声が。その声の持ち主こそ、わが友、李徴のものだった……時代を超えて読 みつがれる、中島敦の代表作。(16頁・★2個)

330円 (税込)  [JAN]4582628021408

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「巡査の居る風景」中島敦

父の転勤により青春期のほとんどを過ごした植民地・朝鮮の町を舞台にした一九二三年、作者二十歳の時の作品。朝鮮人の巡査を語り手として、すさみきった厳冬の街の風景のなかに、日本人と朝鮮人のいびつな関係、自らのアイデンティティに悩む巡査の内面と、署長と口論をしたかどで解雇される非運を描く。とりわけ東京で夫を亡くした街娼が、客から関東大震災の朝鮮人大虐殺の話を聞き、取り乱して逮捕される場面が生々しい。(28頁・★3.5個)

330円 (税込)  [JAN]4582628022375

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「宮崎智之セレクト 中原中也名詩選」 中原中也

中原中也が生前唯一、刊行した自身の詩集『山羊の歌』と没後刊行した『在りし日の歌』、さらに未刊詩篇を含めた詩の中から八篇を選んで収録した。極度に均衡のとれた詩句、節と節との間に生じている緊張感を堪能してほしい。中原中也は、深い悲しみ、葛藤、混沌、優しさの中で詩作した。自己統一を失った詩人が、ふたたび世界をあるがままに取り戻そうとして歌った詩がここにある。(48頁・★6個)

330円 (税込)  [JAN]4582628021019

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《川柳アンソロジー みずうみ》
「水の骨組み」なかはられいこ

「みずうみ」というテーマを前にして、その大きさ静けさ美しさに身動きできない私でした。天災は為すすべなく、人災は止むことのないこの世。川柳は何を書けばいいのか、川柳とは何なのかと、迷い続けています。それでも川柳があったから私は生きてこられたのであり、川柳のおかげですばらしい人と作品に出会えたのです。(著者より)(12頁・★1.5個)

330円 (税込)  [JAN]4582628022207

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「自転車日記」 夏目漱石

ロンドンに留学中だった漱石が、下宿のお婆さんに勧められ、三十五歳にして初めて自転車に挑戦。指南役に従い自転車屋で中古の自転車を入手、さっそく特訓が始まります。……異国にあって神経衰弱を患い、人嫌いになっていくという暗いイメージが先行する漱石の留学体験ですが、その先入観を払拭するような自虐とユーモアに溢れた文章です。多彩な比喩に富み、講談の名手をも思わせる語り口は、後年の「吾輩は猫である」の誕生を予見させます。(20頁・★2.5個)

330円 (税込)  [JAN]4582628020159

梅田 蔦屋書 ポケットアンソロジー 「自転車日記」
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「おじいさんのランプ」新美南吉

かくれんぼをしていた東一君が倉の隅から持ってきたランプは、おじいさんの思い出の品だった。そのランプを見ておじいさんが話し出したのは、ちょうど日露戦争のじぶん、十三歳の巳之助(それがおじいさんの名前だった)という少年のことだった。みなしごだった巳之助は、隣村で見たランプに憧れて商いを始め、徐々に成功していくが、成人して一家を構えた巳之助は、ランプにとって替わる電灯に出会って……言わずと知れた児童文学の名作。(32頁・★4個)

330円 (税込)  [JAN]4582628021934

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