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作品リフィル 文庫判・スクラム製本(綴じなし)
「雪の夜」 織田作之助
大晦日の夜、別府。番傘を立てて通りの客を待つ易者が、料亭から女たちを侍らせて出てきた、羽振りのよさそうな男とばったり出くわします。それは因縁の男。易者は大阪で印刷業を営む堅実な男でしたが、カフェで会った女に溺れて身を持ち崩してしまいます。熱海から東京、東京から別府へ。病を患った女とともに落ちぶれて流れてきた男の運命は? はかない者たちの愚かな、しかし切実な人生を鮮やかに切り取る名篇です。初出は「文藝」(改造社、一九四一年)。(28頁・★3.5個)
330円 (税込) [JAN]4582628020036
「競馬」 織田作之助
京都帝大出の中学の歴史教師、寺田は小心で律儀者。酒場遊びなど縁がなかったが、同僚に誘われて入ったカフェの一代という女給に入れ込み、ついに所帯を持つ。ところが一代に乳癌が見つかったことから一転。痛みにのたうち回りながら死んでいった一代の面影、とりわけ彼女が纏った男の影に嫉妬の情を抱きながら、ひょんなことから競馬にのめり込んでいく。迫真のレースに比肩する語り口で結末まで一気に読ませる織田作文学の白眉。(28頁・★3.5個)
330円 (税込) [JAN]4582628020036
「夫婦善哉(上)」 織田作之助
難波の一銭天麩羅屋の娘、蝶子は十七の歳に自ら望んで芸者になった。お転婆で声自慢、陽気な座敷には欠かせぬ蝶子だったが、やがて惟康柳吉という妻子持ちと良い仲になり、とうとう駆落ちをした。遊び人で甲斐性なし、苦労ばかりかける柳吉だったが、美味いものには目がなく、難波の町の本当に美味い店に蝶子を連れ回した。どんな酷いことをされても、無邪気に舌鼓を打つ柳吉が捨てられないのだった……著者の出世作にして代表作。(36頁・★4.5個)
330円 (税込) [JAN]4582628020616
「夫婦善哉(下)」 織田作之助
難波の一銭天麩羅屋の娘、蝶子は十七の歳に自ら望んで芸者になった。お転婆で声自慢、陽気な座敷には欠かせぬ蝶子だったが、やがて惟康柳吉という妻子持ちと良い仲になり、とうとう駆落ちをした。遊び人で甲斐性なし、苦労ばかりかける柳吉だったが、美味いものには目がなく、難波の町の本当に美味い店に蝶子を連れ回した。どんな酷いことをされても、無邪気に舌鼓を打つ柳吉が捨てられないのだった……著者の出世作にして代表作。(32頁・★4個)
330円 (税込) [JAN]4582628020623
「雨(上)」 織田作之助
珠の肌と色香を持ったお君は、また働き者でもあったが、「私(あて)か、私はどうでもよろしおま」との口癖通りに流されるまま、不運な人生を歩み続けた。最初の夫である教師の軽部は一人息子の豹一を遺してぽくりと亡くなり、次に嫁いだ安二郎は高利貸で、夫婦間でも金を貸すほどの吝嗇家だった。境遇に向けた敵愾心と過剰な自意識を持つ豹一もまた儘ならぬ人生を歩むことに……著者自らが処女作と認め、のち『青春の逆説』へと発展する短篇。(24頁・★3個)
330円 (税込) [JAN]4582628020630
「雨(下)」 織田作之助
330円 (税込) [JAN]4582628020630
珠の肌と色香を持ったお君は、また働き者でもあったが、「私(あて)か、私はどうでもよろしおま」との口癖通りに流されるまま、不運な人生を歩み続けた。最初の夫である教師の軽部は一人息子の豹一を遺してぽくりと亡くなり、次に嫁いだ安二郎は高利貸で、夫婦間でも金を貸すほどの吝嗇家だった。境遇に向けた敵愾心と過剰な自意識を持つ豹一もまた儘ならぬ人生を歩むことに……著者自らが処女作と認め、のち『青春の逆説』へと発展する短篇。(36頁・★4.5個)