能登半島の山中にある著者・村田和樹さんのお寺、龍昌寺を訪ねると、いつも人生に迷った誰かが逗留している……
能登の里山を拓き、仲間たちと田んぼを築き、禅と農の生活のなかで道元の教えを身をもって実践してきた村田さんが、「正法眼蔵」のなかでも最も如実に道元の思想を示している「現成公案」を分かりやすく、平易な日本語に置き換えました。
また、和田さんに心酔し、何度も龍昌寺に足を運んでいるミラー和空さんは、日本人以上に日本人を理解しているアメリカ人。そのミラーさんが聞き役となり、和田さんから「生きていく上でほんとうに大切なこと」を引き出します。
【出演者プロフィール】
村田和樹(むらた・わじゅ)1950年、金沢市に生まれる。生家は曹洞宗の寺だが、15歳のとき、胸にぽっかりと穴が空いたようになり、その機縁で自らも仏門を志す。駒沢大学卒業後、京都の安泰寺に入り、内山興正老師の元で修行する。80年、龍昌寺を石川県輪島市三井町与呂見の山中に移転するという大決断の元、チェーンソー片手に山に分け入り入山、新しい龍昌寺を開く。85年ころより志を同じくする仲間たちと農地「よろみ村」を拓き、禅と農を中心とした山暮らしを営み、現在に至る。今回出版した『わたしを生きる』が初めての著書となる。ミラー和空(みらー・わくう)1954年生まれ。78年来日後、翻訳会社や財務広報会社の勤務を経て88年、編集デザイン事務所を設立。2009年に出家得度し、日本在住暦40年以上。著書『アメリカ人禅僧、日本社会の構造に分け入る』(2015年、講談社刊)で村田和樹老師と出会って以来、心酔し能登の龍昌寺には何度も足を運んでいる。なお、友人であるオリンパス元社長・マイケル・ウッドフォードが告発した「オリンパス事件」が表面化するに際しては、重要な役割を果たした。