新刊のお知らせ (2017年1月20日発売)

 

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田畑ブックレットvo.1
『短歌で読む哲学史』山口拓夢 (やまぐちたくむ)

広く深い人文知の海から掬い上げられた新鮮な果実とは…
読んで分かって詠って味わう短歌形式の哲学史
短歌を手がかりに、たった136ページで西欧哲学史のダイナミックな流れが体感できるおとなの教養書としてだけでなく、受験参考書にお勧めです!

目次

1 ギリシア哲学
2 イエス・キリストと教父哲学
3 中世神学
4 ルネッサンスの哲学
5 近世哲学
6 近現代哲学
7 構造主義以降

哲学の学説は難しく、独特の近寄りがたさがあります。その近寄りがたい哲学を真摯に読んでゆくと、あるとき、これなら自分でも分かる、と思える瞬間が訪れます。ロジックに疎い私が、哲学史に一貫して流れている、この世界のことわりを明るみに出したいという願いと心を通わせる瞬間を求めて学んできた哲学史の楽しさを、ぜひ読者のみなさんに味わってもらいたいと思うので、巻末に参考文献を挙げました。(中略)短歌を手がかりに読者のみなさんが哲学史の旅を楽しんで頂けたら幸いです。《「はじめに」より》

人間に 役立つものが 神である パンがデメテル 酒はバッコス……プロディコス
万人が その戦いを 放棄して 自分の権利を 国に預ける……ホッブズ
人間は 乗り越えられる 生き物だ その超人の 到来を告げよう……ニーチェ

短歌で哲学を詠む? その破天荒な試みがもたらした絶大な効果とは!
本書は高校生でも、いや好奇心旺盛な中学生でもするすると読める「哲学史」。
古代ギリシアのタレスからアリストテレス、はたまた中世神学に、カント、ヘーデル、ドゥルーズ=ガタリまでを一気に読ませる。と同時に、学説の丁寧な解説により哲学の醍醐味を十分に味わうことができる。哲学が現代に至り精神分析や人類学、文学批評、歴史学など他領域を横断しつつ存在する姿が描き出されている。

そして本書の最大の魅力は、短歌の抒情性と簡潔性を用いて時代時代の西欧哲学の本質に迫り、エッセンスを掴んでいることだ。本書に触れた読者はおそらく、まるで哲学の大海原に漕ぎ出す船に乗ったかのような知的興奮と醍醐味を味わうにちがいない。

山口拓夢(やまぐち たくむ)
1966年東京生まれ。西洋哲学・神話学研究者。学習院大学大学院人文科学研究科博士課程満期退学。哲学やギリシア神話のみならず、心理学、人類学、宗教学など文系分野全般に関心を抱き、深い知識を基に発信している。

主な訳書・共著:『ディオニュソスの詩学』チャールズ・シーガル著(翻訳)国文社『宗教への問い』第5巻「宗教の闇」(共著)岩波書店 『世界神話辞典』アーサー・コッテル著(共訳)柏書房 ほか。