外岡秀俊という新聞記者がいた

及川 智洋 著
四六判 448ページ 上製
定価 3,000円+税
CコードC0095
2024年5月11日発売

【紹介】
東大在学中に「北帰行」(文藝賞)により鮮やかなデビューを果たし、作家の道を嘱目されながら、新聞記者として生きることを選び、朝日新聞社に入社。以後、四十数年にわたるジャーナリスト人生を余すところなく伝えるオーラル・ヒストリー。ジャーナリズムが病み廃れた現代にあって、健全なメディアを取り戻す方策を示唆する言論人必読の書。巻末に未刊行の処女作「白い蝙蝠が飛ぶ」〈第13回銀杏並木賞入選作〉を掲載。(解説:久間十義)

【目次】
まえがき 及川智洋

     外岡秀俊 年譜

第一章  朝日新聞に就職「私は新聞記事が下手だった」 
       一九七六―八三年 新潟支局→横浜支局

第二章  疋田桂一郎氏の教え 
      一九八三年―八九年 東京学芸部「世界名画の旅」→社会部

第三章  広く多様なアメリカ社会を取材 
       一九八九年―九三年 外報部→ニューヨーク支局

第四章  冷戦終結後の国連、湾岸戦争を取材
       続・ニューヨーク支局

第五章  阪神・淡路大震災の現場から
       一九九三年―九五年 AERA編集部・論説委員

第六章  転機となった沖縄取材
       一九九五年―九六年 アエラ編集部→社会部兼論説委員

第七章  沖縄から日米安保問題、アジアへの展開
       一九九六年―九九 社会部兼論説委員

第八章  コソボ紛争を現地取材・9・11の衝撃
       一九九九年―二〇〇一年 編集委員

第九章  混迷する9・11後の世界をめぐる
       二〇〇一年―〇二年 編集委員→ヨーロッパ総局長

第十章  イラク戦争・テロ・EU拡大 揺れる世界を見つめる
       二〇〇二年―〇六年 ヨーロッパ総局長

第十一章 東京編集局長 ゼネラル・エディター(GE)に就任
       二〇〇六年―〇七年 混乱する朝日の再生を託されて

第十二章 イデオロギーを排し、暮らし掘り下げ歴史を検証
       続・東京編集局長(GE)

第十三章 朝日の立て直しに手ごたえ、アジアの現場へ
       二〇〇七年―一〇年 東京編集局長(GE)→香港駐在編集委員

第十四章 東日本大震災取材、早期退職と帰郷、再び現場へ
       二〇一〇年―

第十五章 メディアの技術革新とこれから
       「二十一世紀 新聞の将来」(朝日新聞社内用提言)

第十六章 映画少年から創作活動への道
       「私が影響を受けた映画」リスト

   【証言】 高橋和志さん   新人時代の外岡記者
        長岡昇さん    失敗した事件報道の教訓
        小此木潔さん   かけがえのない同僚との時間
        柳澤秀夫さん   戦火のバグダッドから報道
        川端清隆さん   国連・和平活動の現場で
        守田省吾さん  『地震と社会』から『傍観者からの手紙』へ
        比屋根照夫さん  沖縄を愛した外岡さん
        佐久間文子さん  作家の横顔、深く読んだ書評

   謝 辞 外岡秀俊

   【附】白い蝙蝠が飛ぶ(第13回銀杏並木賞入選作) 外岡秀俊

   あとがき 及川智洋

   【著書一覧】

   解説・特別寄稿 久間十義

【著者プロフィール】
及川 智洋 (オイカワ トモヒロ)
1966年、岩手県生まれ。1990年、東北大学法学部卒業、朝日新聞社勤務。2016年退社。2019年法政大学大学院博士後期課程政治学専攻修了。法政大学非常勤講師。著書『戦後日本の「革新」勢力 抵抗と衰亡の政治史』ミネルヴァ書房、『私だけの日本酒──南部杜氏・多田信男の仕事』Arslonga、論文『「政治改革」への世論形成 選挙制度審議会と小選挙区』『山中貞則と沖縄振興』『日本型財政ポピュリズムに関する一考察』など。