第一章全文公開

巷 の 空

野口 冨士男 著

2021年7月2日発売

新書判 縦178mm 横110mm 厚さ20mm 

重さ 324g 472ページ 仮フランス装

価格 2,530円 (税込)

ISBN978-4-8038-0385-3 CコードC0093

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書評掲載情報

2021年09月03日東京人  川本三郎「東京つれづれ日誌」 市井の人を描く野口冨士男
2021年08月21日東京新聞/中日新聞 朝刊  評者: 武藤康史(評論家)
2021年08月05日週刊新潮    2021年8月12・19日夏季特大号 評者: 川本三郎

紹介

明治も終りに近い頃、江戸川橋の鰻屋に生まれながら、家業を嫌い靴職人となった主人公・伊之吉。独立して事業主となり、折り重なる浮き沈みに揉まれながら生き抜いて行く――関東大震災前の“古きよき東京”を緻密に再現しながら、市井に生きる日本人の姿を丹念な心理描写をもって描く。私小説を志した著者が珍しくも客観小説に挑んだ大長編小説。
太平洋戦時下、「不要不急の作」として紙が配給されずお蔵入りになり、戦後、刊行間近で出版社が倒産、不幸な運命をたどった“幻の名作”が、いま蘇る!

著者プロフィール

野口 冨士男  (ノグチ フジオ)

1911(明治44)年、東京生まれ。慶應大学予科中退後、文化学院文学部に移り、同校卒業。紀伊國屋書店出版部に入社。のち都新聞(現・東京新聞)、河出書房を経て、40年、初の著書『風の系譜』を刊行。44年、海軍に召集されるが、翌年、栄養失調のため横須賀海軍病院に入院。半年後に復員する。48年「文藝時代」を創刊。また「キアラの会」に参加。60年、同会によって創刊された「風景」の初代編集長となる。65年『徳田秋聲傳』にて毎日芸術賞を受賞する。76年『わが荷風』で読売文学賞(随筆紀行部門)、79年『かくてありけり』で読売文学賞(小説部門)、80年「なぎの葉考」で川端康成文学賞、86年『感触的昭和文壇史』で菊池寛賞を受賞。また82年には日本藝術院賞が授賞された。93年、呼吸不全のため死去。翌年、越谷市立図書館内に野口冨士男文庫が開設された。

八木義德 野口冨士男 往復書簡集

〈切磋琢磨〉という言葉がこれほどに相応しい関係があるだろうか――同じ時代を生き、ともに「私小説」を極めようと志したふたりの文士が、四十年以上にもわたって互いの作品を評し合い、生活のこもごもを語り合った奇跡! これまでも、これからもおそらくはあり得ない、日本文学史上稀有な〈往復書簡集〉。

6,000円+税