言の葉便り 花便り 北アルプス山麓から
丸山 健二 著
四六判 248ページ 上製
定価 2,300円+税
ISBN 978-4-8038-0450-8
Cコード C0095
2024年10月25日発売
紹介
「いつの間にやら八十歳になりました。長いこと文学の創作に携わり、あと二年もすると六十周年を迎えます。なぜか元気です。肉体の方はまあまあといったところですが、精神のほうは苦労性のせいなのか研ぎ澄まされる動きを止めません」……23歳で芥川賞を受賞しデビュー、小説家としての人生をフルスロットルで駆け抜けてきた著者が、齢80を過ぎて至った境地。小説と同じく丹精した庭に佇み去来するよしなしことを、時にユーモアを交えてストレートに綴った、掛け値なしに「元気をもらえる」エッセイ集!〝いぬわし書房〟ホームページの同名連載の書籍化。
目次
初めまして
何はともあれ、生きてみようか
何が面白くて生きるのか
この世のいっさいは幻想
幸福は葉陰から覗くサクランボ
「いいよねえ、この感じって」
春の嵐の最中に
駄目なものは駄目
時は常に朧なり
美の基準はどこに
物事の始まりは決まって華やか
ヤドリギはどっち
ほかに道はなかった
華があるのに渋い花
らしくない小説家?
現在より偉大な過去はない
苦悩と情熱にあふれ返る現世
「人生なんてさあ……」
「死が癒してくれるよ」
「生きたまま現世を超える?」
「死ぬまで振り返らないぞ」
「自分を買い被ってやろうかな」
「天然記念物であらせられるぞ!」
「光を浴びてから死のうか」
最後の勝利者は誰?
小説家のサガって何?
……ほか
丸山 健二 (マルヤマ ケンジ)
1943年、長野県飯山市に生まれる。仙台電波高等学校卒業後、東京の商社に勤務。66年、「夏の流れ」で文學界新人賞を受賞。翌年、第56回芥川賞を史上最年少(当時)で受賞し、作家活動に入る。68年に郷里の長野県に移住後、文壇とは一線を画した独自の創作活動を続ける。主な作品に『雨のドラゴン』『ときめきに死す』『月に泣く』『水の家族』『千日の瑠璃』『争いの樹の下で』ほか多数。また、趣味として始めた作庭は次第にその範疇を越えて創作に欠かせないものとなり、庭づくりを題材にした写真と文章をまとめた本も多い。また、2020年に「いぬわし書房」を設立し、長編小説『ブラック・ハイビスカス』(全4巻) を、23年、『風死す』(全4巻) を刊行。出版活動のほか〈丸山健二塾&オンラインサロン〉や〈丸山健二文学賞〉なども運営している。