最新の人権問題をテーマにつくりました。国内の多国籍化はこれからも不可避に進んでいきます。そのなかで国籍の如何を問わず、誰もが住みよい地域・社会であるために、いま知っておかなくてはならないことや、いまあたりまえだと思って対処していることの問題点などを、事例をもって丁寧に解説しました。
 公共施設、学校、地域の勉強会にも耐えうるよう、法令や事例集を付録にまとめた、基本書です。



自由人権協会編
外国人はなぜ消防士になれないか -公的な国籍差別の撤廃に向けて-



価格 1,540 円(税込
A5判 132ページ 並製
ISBN978-4-8038-0342-6



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書評掲載情報
2017年07月30日 南日本新聞  朝刊 
2017年07月23日 山梨日日新聞  朝刊
2017年8月2日 民団新聞    他 



自由人権協会
1947年11月、人権擁護を唯一の目的として設立されたNGO団体人権問題に関する調査研究、講演会、出版などを通しての提言や立法活動、政府機関やマスコミなどに対して勧告、意見を発表し、人権侵害を受けた人びとの裁判等の支援も行なっている。国際人権規約などの人権条約に基づき、外国人を含むすべての人びとの市民的、政治的権利の擁護や、社会的、経済的および文化的権利の実現について、国連規約人権委員会にカウンター・レポートなどを提出する活動を行なう。


目次

はしがき

第1章 公的な国籍差別の問題性
1 公的な国籍差別とは
2 旧植民地出身者の処遇問題
3 戦後日本における公的な国籍差別の背景
4 特別永住者に対する国籍差別は人種差別
5 変容する日本社会と外国人
6 区別の法的正当性を検討する視点
(1)法の下の平等、法の支配は外国人にも及ぶ
(2)国際人権法が禁止する国籍差別
(3)国籍差別も本質的にはレイシズム
(4)公的国籍差別の見直しにあたっての基本的な考え方

第2章 撤廃、見直しが必要な公的国籍差別
1 法令上明文で区別するもの
(1)行政手続法及び行政不服審査法における入管行政等の適用除外
(2)住民記録における外国人差別
(3)シベリア抑留特別措置法などの戦争犠牲者援護諸法
(4)大学の外国人教員の処遇における差別
2 法令上の明文の根拠なく差別するもの
(1)国民年金法の「国籍条項」削除後も残る差別
(2)生活保護における外国人差別
(3)外国人には保障されない「教育を受ける権利」

第3章 外国人の公務就任権等
1 「当然の法理」による制約は認められない
2 東京都管理職選考試験事件最高裁判決について
3 撤廃、見直しが必要な公務就任に関する制約
(1)国家公務関係
① 法令上の明文の根拠なく区別するもの
【国家公務員一般職採用試験】
【調停委員、司法委員】
【日本学術会議会員】
② 法令上明文で区別するもの
【人権擁護委員】
【民生委員、児童委員】
(2)地方公務関係
① 法令上の明文の根拠なく区別するもの
【地方公務員一般職】
【昇任制限】
【公立学校教員】
【消防吏員】
② 法令上明文で区別するもの
【教育委員会委員】
【公安委員会委員】
4 外国人の参政権等
(1)地方参政権
(2)政治献金

第4章 帰化その他国籍法に関する問題
1 国籍法を合わせて考える必要性
2 現行国籍法の問題点
3 帰化行政
4 複数国籍
5 「この国のかたち」としての国籍法
6 「日本人国家」を超えて

コラム

1.マッカーサー憲法草案と消えた「外国人の権利」 田中宏
2.日本に「帰化」して国会議員となった3人
―新井将敬、ツルネン・マルテイ、白真勲―  田中宏
3.蓮舫民進党代表とフジモリ元大統領 田中宏
4.日本のプロスポーツと国籍問題 辛仁夏
5.北方領土返還とロシア人住民の地位・処遇 田中宏
6.「国民」が姿を消した中曽根「改憲試案」 田中宏
7.日本の国際結婚の推移を統計で振り返る 田中宏

資料編

第1章 公的な国籍差別の問題性
第2章 撤廃・見直しが必要な公的国籍差別
第3章 外国人の公務就任権
第4章 帰化その他国籍法に関する問題